history-2021

2021年11月3日(水)
開始 16:00(開場 15:30)
美竹清花さろん
北川千紗ヴァイオリンリサイタル

北川千紗ヴァイオリンリサイタル

美しく正確な音程によって紡ぎ出される
ダイナミックかつ思想の行き届いた音楽──

2020年 第89回日本音楽コンクール第1位、岩谷賞(聴衆賞)等を受賞。2019年 第16回チャイコフスキー国際コンクールセミファイナリスト。国際コンクールでの優勝を重ねる若き実力派として注目を浴びるヴァイオリニスト、北川千紗さん。

彼女のヴァイオリンに初めて触れたときに、まず驚いたのがその”美しく正確な音程”でした。
音程が不安定に陥りやすいヴァイオリンという楽器を、これほど正しい音程に合わせることができるものなのかと。
音程、という点だけ聞くと「なんだそんなことか…」と感じられるかもしれませんが、特筆すべきは単に音程の正確さだけではありません。

「なぜ正確に音程をとることが必要なのか」その理由にこそ、美学が宿るのではないでしょうか。
彼女にとって、美しく正しい音程や確かなテクニックは、作品解釈においてその理想を叶えるために重要な要素だということが、演奏を通して感じられます。
またそういった技術的な充実のみが神経質に際立っていることは決して無く、スケールが大きく思想の行き届いた音楽が、耳に心地よく響いてきます。

昨年聴いたバルトークの2番のコンチェルトでは、その原始主義的なエッヂの立った響きに圧倒させられました。またその自然体な弾きこなしには美しさすら感じられ、感心させられます。
何事においても技術のための技術はなく、何か大きなビジョンのなかで技術の必要性が生まれるのではないでしょうか。そう考えると、技術的な進化・進歩には常に理想があります。
彼女の確かな技術、そして音楽性の深さには作品を表現したいという意思があり、何か絶妙なバランス感覚を持っているようにも感じられるのです。
サロンではそういった彼女の特長を、より鮮明に感じられることではないでしょうか。
(美竹清花さろん)

【出演】
北川 千紗:Violin
日高 志野:Piano
【曲目】
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第3番 変ホ長調 作品12-3
パガニーニ:24のカプリースより第11番 ハ長調
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番 ホ長調 BWV1006より プレリュード
イザイ:ポエム エレジアーク 作品12
ヴィエニャフスキ:創作主題による華麗なる変奏曲 作品15
※プログラム等は、やむを得ない事情により、 変更になる場合がございます。
【会場】美竹清花さろん